ユヌス・ソーシャル・ビジネスの学習と実践を両立する日本で唯一のビジネスコンテスト
本選優勝チーム<一般部門> Tabimart Eighty Days株式会社は、2016年のYY Contestをきっかけに立ち上げた企業です。
Eighty Daysは日本の少子高齢化や都市部への人口集中によって生じる地方の問題解決を観光で解決することを目指しています。 私たちのチームは日本、中国、アメリカ、フランス、イギリスと5つの異なる国籍を持つメンバーで構成されているため、事業を自分たちの強みが生かせるインバウンド観光に絞り込みました。 コンテスト参加中には鹿児島県長島町、千葉県佐原町にてテストマーケティングを行い外国人観光客を案内しました。長島町では中国、韓国、オーストラリア、インド、ハンガリー等、多国籍の参加者を迎えたツアーとなりました。島の透き通った海を眺めながら海岸沿いでランチをしたり、じゃがいも農家での農業体験や漁師の方との海釣り体験。地元の方と地元で取れた食材を使ったバーベキュー、暗闇で光る海のホタルを見るクルーズなどを体験してもらいました。長島の場合は、後継者がいても、バブル期を境に観光客の足取りが鈍くなり実家に戻って家業を継げないボートクルーズの方や人手不足で困っている農家さん等、観光で解決できる点が多かったため、今後も継続してツアーを行う予定です。 佐原町ではユネスコ登録となったお祭りと周辺の神社や酒蔵を見学するツアーを行いました。佐原もフィリピン、コロンビア、カナダ等の国から参加者があり、佐原の保存する江戸の町並みを楽しんでもらいました。佐原の場合は、少子化の煽りで伝統的なお祭りの将来的な継続に懸念があるとのことで、今後観光客も参加できるようなお祭り作りを地元の方と議論しています。 私たちがコンテストに参加させて頂き大きな気づきとなったのは、初めから問題の根本的な解決を完璧に行おうとしないことです。目の前に見えた小さな問題で良いので、少しずつ解決して行くことが重要です。1つ解決することで、「実はこんな問題もある」というように行動して初めてわかる問題がたくさん出てきます。 例えば長島では、子供達の学力が全国的にも平均以上である一方で、英語科目だけが平均を下回っていたそうです。島の子供達は外国人との接点もなく、英語に対する「何故学ぶのか」が薄れていたのかもしれません。そこでたまたま地元の子供達が外国人観光客と触れ合い、良い影響を受けたようで、地元のお母様たちは嬉しそうに「突然子供達が英語に興味を持ち始めた」と話していました。これもツアーを実行して初めてわかったことでした。 そのように、私たちの問題解決はまだまだ途中段階ですが、今後も地方と観光客の双方のためになるビジネスを継続させて行きたいと思っております。 |