ユヌス・ソーシャル・ビジネスの学習と実践を両立する日本で唯一のビジネスコンテスト

ソーシャル・ビジネス

「ソーシャル・ビジネス」とは?

ユヌス博士は、「ソーシャル・ビジネス」の概念により資本主義を新たな次元に導きました。それは、利益の最大化を追求するビジネスモデル(個人的利益を追求するビジネス)ではなく、社会的課題の解決を目的としたビジネスモデル(他者の利益に専念するビジネス)です。
 
そのため「ソーシャル・ビジネス」を行う動機は、利益追求ではなく社会の課題をビジネスで解決することであり、「ソーシャル・ビジネス」では投資家への配当はありません。その代わり、世界中の貧しい人びとの手に届く価格で製品やサービスを提供することを実現します。あるいは、貧しい人びとが「ソーシャル・ビジネス」の所有者となり、彼らが利益を得ることを可能にします。
 
「ソーシャル・ビジネス」では、投資の元本を回収した後は、その利益を自社への再投資、社員の福利厚生を含め、更なる社会課題解決のために再投資します。このような目的を持つ点で「ソーシャル・ビジネス」は画期的ですが、企業経営の方法としては伝統的であるといえます。例えば、雇用された従業員はその業務を行うにあたって十分な専門知識を持ち合わせており、適切な市場価格に基づき報酬を受け取ります。また利潤を生み出せるかどうかにかかわらず、継続的活動を維持するために損失を出すことが許されないのは他の企業と同じです。
 
「ソーシャル・ビジネス」はその経済的自立ゆえに、サスティナブル(持続可能)です。この点が「ソーシャル・ビジネス」と慈善活動の本質的な違いです。最初の投資が回収された後は、課題解決のために経済的に持続する「ソーシャル・ビジネス」では、貧困層の人びとの生活水準の長期的向上を目指し、利益を循環させることができるのです。
 
「ソーシャル・ビジネス」は新たなタイプのビジネスであり、「ソーシャル・ビジネス・アントレプレナー」は新たなタイプの起業家です。企業としても、起業家本人としても利益の最大化を目指さない点が「新しく」起業家は世界を変える使命と義務をもっています。それらは社会的な目的に基づくものであり、彼らは人びとの生活をより良いものにしようと持続可能な事業を興し、その事業活動をとおしてこの目的を実現しようと努めるのです。
 
 

ソーシャル・ビジネスの7原則

  1. グラミン・ソーシャル・ビジネスの目的は、利益の最大化ではなく、人々や社会を脅かす貧困、教育、健康、技術、環境といった問題を解決することです。
  2. 財務的、経済的な持続可能性を実現します。
  3. 投資家は、投資額を回収します。しかし、それを上回る配当は還元されません。
  4. 投資の元本の回収以降に生じた利益は、グラミン・ソーシャル・ビジネスの普及とよりよい実施のために使われます。
  5. 環境へ配慮します。
  6. 雇用者は良い労働条件で給料を得ることができます。
  7. ・・・楽しみながら。